2011年02月04日

より深い患者フォーカスの一歩(MIX ONLINE)の記事

大分前になりますが、ミックスオンラインという業界情報サイトのために書いた記事へのリンクはまだアップしていませんでした。本文を下記に添付しました。どうぞご覧下さい。

http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/38019/Default.aspx
公開日時 2009/10/08

激変するヘルスケアビジネスの中で日々頑張っているMRの方々や、それを支援している方々に私が感じている事をお伝えし、MR活動が更に医師や患者さんのために役立つようになってもらいたいと願って発信します。

皆様のご意見や反論を心から楽しみにしています。

製薬業界でもよく、カスタマーフォーカスや患者フォーカスといった言葉を耳にします。しかし自分がどこまで本当に患者さんのことを理解しているのか、深く考えてみたことはありますか? ご自分のマインドセットを整えるために、ひとつエクササイズを試してみてください。患者フォーカスなどの言葉に本当の意味をもたらすエクササイズです。

次回の施設訪問の際、患者様個人のイメージを頭の中で想像してみて下さい。一症例としてではなく、一患者様として考えてみた上で、情報を正確に伝える。このマインドをもつことで、担当する薬剤が果たせる貢献についてより的確な表現をすることができると思います。

B2Cのマーケティングでは、架空の個人消費者を「ターゲット(理想顧客)」として表現することが多々あります。例として、数年前に私が参加したある日系企業の米国健康食品プロジェクトを挙げましょう。環境分析を行い、大きなトレンドや競合他社との比較をはっきりさせたあと、この健康食品の理想顧客は以下のような人物であると想定しました。

「○○ブランドのターゲットは、27歳のSARAHです。SARAHは公立大学で国語を勉強したあとIT系の会社に入社し、3年間営業職でそこそこの実績をあげましたが、不満を感じて退職しました。その後レストランでバイトをしながら経理関係の資格をとり、去年めでたく会計事務所に就職。独身で、アパートは同性のルームメイトとシェアしており、結婚はまだ考えていません。ゴミの分別を試みてはいるけれど、使い切った乾電池はコンビニのゴミ箱に捨ててしまいがちです。SARAHはテニスとヨガが好きで、週末に最低一時間は運動ができないとイライラしてしまいます。」

どうでしょうか? 設定はまだまだ続き、その細かさに非常に感心してしまいました。

これだけ徹底的に、理想顧客のライフスタイルを理解しようと試みる努力は素晴らしいものです。もちろんこれはあくまで架空の「顧客」ですが、チーム一同がSARAHのために、SARAHの欲しい健康食品を作り上げ、それを市場に提供できる日が楽しみでした。チームミーティングでは「この色はどう?」という質問より、「SARAHはこのパッケージについて、どう思うだろう」というようなやりとりが頻繁に交わされていました。

あなたが毎日がんばっている仕事。それはいったい誰のためなのか、自分にとってのSARAHをイメージしてみるのはいかがでしょうか?

jeffjapan at 09:30コメント(0)トラックバック(0)Pharma/HealthcareMarketing 

2010年12月07日

英語で勉強する製薬業界(海外編)

最近、いろいろなところで米国の医療関係のWEB状況についた講演したりしていますが、必ずしも私の母国が優れていると思っているからではありません。むしろ患者の視点からは、オバマ政権がぜひ日本のような医療保険制度を導入してくれればよいのにと思っています。

いくつかの製薬業界関連のウェブサイトを紹介します。視野を広げ、英語の勉強にもなるので、時間があるとき是非チェックしてみてください。

www.PharmaVoice.com私が製薬企業向けのツールや新サービスをチェックするために時々訪れる米国のサイトです。マーケットリサーチの新しいテクニックや、マーケティング・セールスのベストプラクティスに関する報告、営業効果やプロモーションのROIをトラッキングするための新しいITツール、患者のアドヒアランスに関する新しいアプローチ法などが紹介されています。
コンテンツの大部分はベンダー企業がスポンサーとなっており、IMS,MattsonJack,KantarHealth,TNSHealthcareなどの大きなところから、聞いたことも無いベンチャー企業もあります。これらの多くは宣伝のにおいがしますが、それでも学ぶことは多いと思います。残念ながら、ここで扱われているサービスのほとんどは日本にはまだ導入されていませんが----もし何か興味があることがあれば、日本支社に情報を問い合わせてみてください。

このサイト上では、PDFのダウンロードやポッドキャスト(私はジムでよく聞いています)、ビデオインタビューなど、多くのマルチメディアを提供しています。
もしこのサイトを訪れるなら、上のほうに表示されているビデオをぜひチェックして、実践的な英語学習に生かしてください。(ちなみに私はここのビデオが大好きです。多くのゲストが大変ナーバスになっている様子が笑いを誘います・・・電車の中でiPodを見ながら笑っている私を見かけたら、おそらくこのビデオを見ていると思って下さい!)

http://PharmExec.findpharma.com『ファーマシューティカル・エグゼクティブ』という、業界のスタンダードとなっている雑誌のWebサイト版です。雑誌のほうは、米国の製薬関連企業の待合室には必ず置いてあるといっていいでしょう。
このサイトでは、数は多くは無いですが選りすぐりのトップニュース・リンクと、米国内に限らない、グローバルな製薬業界のキー・イシューに関する独自の記事を提供しています。
キーワード検索も可能です。たとえば“アステラス(Astellas)”はこのサイト内で17ヒットしかしませんが、“武田(Takeda)”で検索すると192ヒットありました。
アーカイブでは、ブランドマネージャーなど製薬企業で働く人々のインタビューを多く見ることができます。彼らはときどき、スポットライトを浴びることでエキサイトしてしまい、自分たちの戦略についてうっかり口をすべらしてしまうようです(こういう類のサイトは、基本的なコンペティティブインテリジェンスのよい情報源となります)。私は米国で発売されもうすぐ日本で上市される薬の下調べや、日系企業の海外でのオペレーション状況を理解するために活用しています。

これらのサイトを、楽しみながら英語で勉強してください!


jeffjapan at 14:30コメント(0)トラックバック(0)Pharma/HealthcareFree Links 

2010年11月16日

そこまで言う?米国の製薬業界における白熱論議

HappyNewYear!読者の皆様、明けましておめでとうございます。
私の最近のテーマは、自分なりに「改めて業界を勉強する」に力を入れようと思っています。専門的な知識を得ることも目的の一つですが、それ以上に、色々な観点から自分の仕事の位置づけを理解することが大切だと考えています。そのためにもちろん真面目に勉強するつもりですが、楽しく取り組める部分も持ちたいので、週末を利用し、「面白く勉強できるサイト」を探してみました。早速紹介したいと思います。二つとも海外のものですが、ぜひ覗いてみてください。

1)米国の営業現場の本音:www.cafepharma.com“thewebsiteforpharmaceuticalsalesprofessionals”
会社別のMR提示版として人気を呼んでいる米国の業界サイトです。
驚くべき点は二つあります。それは「投稿数の多さ」と「発言のキワドさ」。大手から中堅までほとんどの製薬企業の掲示板が存在し、現地のPfizer、Merck、BMSなどはもちろんのこと、武田、第一三共、アステラス、大塚、エーザイなど米国で展開している日系企業の掲示板も存在します。投稿文書(ポスト)の数はほとんど大手順で、一番多いPfizerは何と144,668の投稿数。次いでGSKが74,304、Novartisは54,590、Merckが48,713となっています。EisaiやTakedaには15,000前後の投稿があります。もちろん買収発表の後などは掲示板が一気に盛り上がりますので、例えば今だとWYETHの掲示板に67,324の投稿がアップされています。
匿名の投稿が多いため、言葉のキツさは半端ではありません。互いに「youstupidsh*t」など「バカ野郎」以上に汚い言葉で罵り合っていますし、直属の上司の本名を暴露し「hewillbuyanythinghisKOL’saskfor(彼はKOLが欲しいものを何でも買ってあげる)」といったようなくだらない投稿も山ほどありますが、中には有益な情報もちらほらと見うけられます。「こんな効かない薬が売れるわけないよ」(“it’sadog”)と苦情を言うMRに対して、「XXXスタディを使ってYYY製品と比較し、桁違いのボーナスをもらっているぞ」と、別のエリアの担当MRが自慢げに書くのです。それに対しまた別のMRから「そうだよ、それでサンプルを5個出せば決まりだよ」のようなコメントが追加されていたりすると、なるほど、アメリカの最前線はこういう感じなのだなとよく分かります。
不平不満も多いので、一つ一つの内容の信憑性は高くないでしょうが、色々なことがトレンドとして見えてきます。米国で先行して販売されている薬剤の「フィールドでの評判」が理解でき、国際ビジネスを担当する方々は必見です。営業現場で働いている読者の皆さんにとっては、空き時間に十分楽しめるサイトではないでしょうか。

2)製薬マーケターのためのプロモーション・ギャラリー:www.adpharm.net“pharmaceuticaladvertisinggallery”
製薬会社が制作した医師及び一般市民向けのジャーナルやOTC広告のギャラリーです。この前まで無料だったのですが、最近より詳細な情報は有料となってしまいました(サムネイル画像は無料で見られます)。気になるキーワード(製品名、企業名、病名など)を入れると、カラー画像と概要が出てきます。最新の疾患啓蒙活動(例えば今だと乳癌認知向上のための映画フェスティバル)や製品メッセージ広告(今週アップデートされた製品は、LillyのHumalogとMerck/Schering-PloughのVytorin)の情報が盛り込まれており、私の仕事にとって大変有益です。「diabetes(糖尿病)」で検索すると183個ヒットしました。プロモーションコンセプトのアイデアや、コンペティティブ・インテリジェンスの情報を得るには唯一無二で最高のサイトです。やはり米国の情報が多いのですが、日本の画像も大変古いものを含め87枚アップされています。
ちなみに、こちらのサイトにイメージを投稿すれば、1日無料で閲覧できる権利がもらえます。事情が許す方は、ぜひどうぞ。

jeffjapan at 08:30コメント(0)トラックバック(0)Pharma/HealthcareMarketing 
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