2010年11月

2010年11月16日

そこまで言う?米国の製薬業界における白熱論議

HappyNewYear!読者の皆様、明けましておめでとうございます。
私の最近のテーマは、自分なりに「改めて業界を勉強する」に力を入れようと思っています。専門的な知識を得ることも目的の一つですが、それ以上に、色々な観点から自分の仕事の位置づけを理解することが大切だと考えています。そのためにもちろん真面目に勉強するつもりですが、楽しく取り組める部分も持ちたいので、週末を利用し、「面白く勉強できるサイト」を探してみました。早速紹介したいと思います。二つとも海外のものですが、ぜひ覗いてみてください。

1)米国の営業現場の本音:www.cafepharma.com“thewebsiteforpharmaceuticalsalesprofessionals”
会社別のMR提示版として人気を呼んでいる米国の業界サイトです。
驚くべき点は二つあります。それは「投稿数の多さ」と「発言のキワドさ」。大手から中堅までほとんどの製薬企業の掲示板が存在し、現地のPfizer、Merck、BMSなどはもちろんのこと、武田、第一三共、アステラス、大塚、エーザイなど米国で展開している日系企業の掲示板も存在します。投稿文書(ポスト)の数はほとんど大手順で、一番多いPfizerは何と144,668の投稿数。次いでGSKが74,304、Novartisは54,590、Merckが48,713となっています。EisaiやTakedaには15,000前後の投稿があります。もちろん買収発表の後などは掲示板が一気に盛り上がりますので、例えば今だとWYETHの掲示板に67,324の投稿がアップされています。
匿名の投稿が多いため、言葉のキツさは半端ではありません。互いに「youstupidsh*t」など「バカ野郎」以上に汚い言葉で罵り合っていますし、直属の上司の本名を暴露し「hewillbuyanythinghisKOL’saskfor(彼はKOLが欲しいものを何でも買ってあげる)」といったようなくだらない投稿も山ほどありますが、中には有益な情報もちらほらと見うけられます。「こんな効かない薬が売れるわけないよ」(“it’sadog”)と苦情を言うMRに対して、「XXXスタディを使ってYYY製品と比較し、桁違いのボーナスをもらっているぞ」と、別のエリアの担当MRが自慢げに書くのです。それに対しまた別のMRから「そうだよ、それでサンプルを5個出せば決まりだよ」のようなコメントが追加されていたりすると、なるほど、アメリカの最前線はこういう感じなのだなとよく分かります。
不平不満も多いので、一つ一つの内容の信憑性は高くないでしょうが、色々なことがトレンドとして見えてきます。米国で先行して販売されている薬剤の「フィールドでの評判」が理解でき、国際ビジネスを担当する方々は必見です。営業現場で働いている読者の皆さんにとっては、空き時間に十分楽しめるサイトではないでしょうか。

2)製薬マーケターのためのプロモーション・ギャラリー:www.adpharm.net“pharmaceuticaladvertisinggallery”
製薬会社が制作した医師及び一般市民向けのジャーナルやOTC広告のギャラリーです。この前まで無料だったのですが、最近より詳細な情報は有料となってしまいました(サムネイル画像は無料で見られます)。気になるキーワード(製品名、企業名、病名など)を入れると、カラー画像と概要が出てきます。最新の疾患啓蒙活動(例えば今だと乳癌認知向上のための映画フェスティバル)や製品メッセージ広告(今週アップデートされた製品は、LillyのHumalogとMerck/Schering-PloughのVytorin)の情報が盛り込まれており、私の仕事にとって大変有益です。「diabetes(糖尿病)」で検索すると183個ヒットしました。プロモーションコンセプトのアイデアや、コンペティティブ・インテリジェンスの情報を得るには唯一無二で最高のサイトです。やはり米国の情報が多いのですが、日本の画像も大変古いものを含め87枚アップされています。
ちなみに、こちらのサイトにイメージを投稿すれば、1日無料で閲覧できる権利がもらえます。事情が許す方は、ぜひどうぞ。

jeffjapan at 08:30コメント(0)トラックバック(0)Pharma/HealthcareMarketing 
記事検索